COREでできるヒートトレーニング

ヒート・ランプ・テストで
トレーニングゾーンを把握

COREを使ったトレーニングではまず、トレーニングに最適な自分の温度「ヒートトレーニングゾーン」を割り出すための「ヒート・ランプ・テスト」を行います。

この適切な領域「ヒートトレーニングゾーン」で継続的にトレーニングすると、暑熱順化が促され、暑さへの対応力やパフォーマンスが上がっていきます。

HEAT RAMP TEST

このテストは、バイクまたはランで行います。
身体の深部温度をできるだけ同じ条件で正確に管理・比較するため、室内で行うのがおすすめです。

COREは運動を始める10分前頃から装着・起動しておくと、より正確な計測が期待できます。

BIKEで行う方法

パワーメーターを使用します。
パワーメーターがない場合は、ランでのテスト方法をご覧ください。
  1. ウォームアップ後、FTP50%から5分おきにパワーを上げていく。
  2. COREでモニターしている深部温度が38℃まで上がったら、その時の心拍パワーを記録する。
    (グラフでは心拍152、パワー226W)
  3. ここから心拍を一定に保つ。パワーと深部温度が上がっていくとパワーが落ち始める。
  4. パワーが20%落ちたところで、その時の深部温度を記録する。
    (グラフでは38.9℃。これが運動時の深部温度の上限であり、これ以上は危険ゾーンという意味になる)
  5. 【テスト結果】
    4で記録した温度より0.3~0.5℃低い温度帯が「ヒートトレーニングゾーン」となる。
    (グラフではヒートトレーニングゾーンは38.4~38.6℃)
bike
CORE・パワーメーター・心拍計を使用した
「ヒート・ランプ・テスト」計測グラフ(例)
ヒート・ランプ・テストの計測グラフ例

RUNで行う方法

ランでヒート・ランプ・テストを行う場合は、心拍と速度を目安にします。
温度とスピードの管理をしやすくするため、室内でトレッドミルを使用するのがおすすめです。
  1. ウォームアップ後、ペースを5分ごとに上げていく。
  2. COREでモニターしている深部温度が38℃まで上がったら、心拍と速度(ペース)を記録する。
  3. ここから心拍を一定に保つ。深部温度が上がっていくとペースが落ち始める。
  4. ペースが20%落ちたところで、深部温度・心拍・速度を記録する。
    (ここでの計測値が運動時の上限であり、これ以上は危険ゾーンという意味になる)
  5. 【テスト結果】
    4で記録した温度より0.3~0.5℃低い温度帯が「ヒートトレーニングゾーン」となる。
    (例:2で記録したペースが5分/kmの場合、20%ダウンしたペースは、300秒+60秒=360秒=6分/kmになる。ペースが6分/kmになった時点の深部温度が38.9℃なら、ヒートトレー ニングゾーンは38.4~38.6℃となる)
run

Heat Training Methods

バイクまたはランで、COREを装着しながら深部温度を装着しながら、
自分のヒートトレーニングゾーンの範囲で45~90分トレーニング。

これを週2~3回の頻度で継続して行います

できる人は、初期段階で週6~7日の頻度で集中的にヒートトレーニングを行うと、より身体の暑熱耐性が向上し、暑い環境下でのパフォーマンスの低下を抑えられます。

自分の暑熱対応力やパフォーマンスがどのくらい向上したかは、ヒート・ランプ・テストで確認

パフォーマンスが向上すると、テスト時にパワーや速度が20%低下するときの深部温度がより低くなります。

トレーニング詳細

トレーニングではウォームアップしながらヒートトレーニングゾーンに入るまで体温を上げ、このゾーンで出せるパワーを出し続ける。最初のうちはまず45分くらいでいい。終わったら必ずクールダウンする。これを無理のない範囲で繰り返しながら、徐々に慣れていくこと。

慣れてきたら、段階的に時間を伸ばしていき、90分くらいを目安にトレーニングを繰り返す。ただし、時間にこだわって無理に続けないこと。開始後、身体がおかしいと感じたらすぐやめる。自分の身体と対話しながら慣れていくのが、暑熱順化の過程なので、途中でやめる日があっても全く問題ない。無理をしない範囲で繰り返していると、誰でも少しずつ慣れてくる。

暑熱順化にかかる日数

人によって異なりますが、少なくとも2週間はかかる。
レース対策に行うなら、最低でもレースの3週間以上前に始めるのが目安。

ヒートトレーニングを
練習スケジュールに組み込む例

通常のトレーニングをCOREを装着して行うことで、通常のトレーニングの一部をヒートトレーニングする方法がおすすめ。

  • 通常行なっているトレーニングのうち、ごく一部をヒートトレーニングのゾーンで行う

  • インターバル・トレーニングのような高強度練習を、深部温度を計測しながら行なってみる

    高強度トレーニングのうち一部をヒートトレーニングのゾーンで行なっている可能性がある
    (下記グラフの緑色に塗られた部分)

    インターバルトレーニング
  • ある程度強度の高いトレーニングなどで深部温度がヒートトレーニングゾーンまで上がった場合は、通常のクーリングダウンの前に、深部温度をキープして、ヒートトレーニングを行う

ヒートトレーニングは継続が大事

ヒートトレーニングを継続して行うことで、夏のレースで向上した暑熱対応力やパフォーマンスを継続的にキープできる。

逆にヒートトレーニングをやめると暑熱耐性は低下し、4週間ほどで完全に耐性が失われる。特に外気温が下がっていく秋冬は意識してヒートトレーニングゾーンに深部温度を上げないと暑熱順化の効果が一気に失われ、来春以降の気温上昇にも対応できなくなる。

COREを活用して深部温度を意識しながらヒートトレーニングを継続し、通常なら秋冬にはリセットされてしまう暑熱耐性をキープしよう。

ヒートトレーニングイメージ

注意点

最初は意気込んで頑張ってしまいがちだが、無理をしていると、そのうち疲労がたまって続けられなくなる。
あらゆるトレーニングに言えることだが、あくまで無理のない範囲で繰り返しながら、少しずつ慣れていくのが鉄則。

レースでもCOREを装着して深部温度のヒートトレーニングゾーンをキープしながら走れば、暑さや、深部温度上昇によるパフォーマンスへの影響を抑えられる。
2020年東京オリンピックトライアスロン男子個人金メダリストのブルンメンフェルトは、普段のトレーニングだけでなく、東京オリンピックやアイアンマン世界選手権のレース当日、COREを装着し、深部体温をモニタリングしつつレースを運んでいるという。